「発達障害があるから、恋愛関係に慣れる気がしない…。」
このページを見ている方はそんなことを思っているかもしれません。
たしかに、恋愛は難しいです。
さらに、アスペルガーの特性として「相手の気持ちがわからない」という部分も、恋愛をしてみようという気持ちにブレーキをかける原因の1つです。
ただ、ここでハッキリ書いてしまいます。「アスペルガーだから~」という言葉が口癖なら、恋愛はうまくいきません。
発達障害に関係なく、負の感情が表面に出てしまっているとき、自分の魅力は半減してしまいます。
中途半端に恋愛関係に持ち込もうとして失敗してしまったら、かえって自信を失う可能性もありますよね。
この記事を書いているぼく自信も、アスペルガー症候群の診断を実際に受けています。ただ、ここ最近では「アスペだから…」という弱音は基本的に抑えています(笑)
そんな自分が、この記事を書こうと思った経緯は、アスペルガーだけど恋愛したい!という人が結構いるなと思ったから。
そこで今回は「アスペルガーの人が恋愛を難しいと思う理由とその対策」について書いていこうと思います。
ぼくがあってきたアスペルガーの当事者の中でも、恋愛している人は必ず持っている共通点もあります。
「真剣に恋愛を考えてるぜ」って方は、ぜひ記事をご覧ください。
目次
「アスペルガーだから」という言葉が恋愛を難しくする
まずはじめに、「アスペルガーだから」という言葉を使うのをやめましょう。
アスペルガー自体が悪いことではなくて、言い訳にしてしまうマインドに問題があります。
「自分ちょっと空気読めないからな〜」
「どうせ自分なんて」
ということを少しでも考えてしまうとちょっとマズイです。
というのも、思い込みの影響は大きいから。思い込みはプラシーボ効果を生みます。
プラシーボ効果とは…偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられることを言う。偽薬効果ともいわれる。
プラシーボ効果によって、いいと思ったことはいいように見えます。
ただ、逆もしかり。
「自分はダメだ」という思考があると「ダメな自分」ばかりに目がいきます。
つまり、「アスペルガーだから」という思考が抜けていないと、行動やマインドに影響を及ぼしてしまう危険性があるんです。
発達障害診断によって、アスペルガーの特性を持っていることを知るのは大事です。
「どんなことに向いている/向いていないか」がわかるので。
自己分析をするときに大きく役立ちます。
ただ、悪い面ばかりを見つけて負い目を感じてしまうと、自信もなくなりますよね。
そうなると、せっかく「恋愛をしたい!」と思っても、自分でブレーキをかけてしまう。
これは大変です。相手に対して近づくことが難しくなってしまいます。
自分を知るための行動も、追い込みすぎてしまうと、自信を失って本末転倒です。
なので、ほどほどにしましょう。
自分の魅力をしっかり伝えることができなくなってしまうのはもったいないです。
何かを負い目に感じている人に魅力を感じない
そして、残念な話ですが、負い目を感じている人に対して、魅力は感じにくいです。
冷静に考えて、いつも自信が無さそうなひとで魅力的なタイプの人っていませんよね。
もしいるとしても、それを「卑屈キャラとして貫くぜ!」っていう方以外には、オススメしません。
実際、当事者でありながら恋愛をしている人と何人もあっています。
ただ、誰一人として卑屈やネガティブ思考の人はいなかったんですよね。
そして、その人たちの共通点としては「アスペルガーだろうが関係ない!」っていうスタンスを一貫して取っています。
もちろん、「相手に発達障害のことをどうやって伝えればいいんだろう」と悩みはしますが、ぐちぐち言っている様な人はいません。
あくまでも、「そんな自分でもどうやったら上手くいくだろう?」と、常に前向きな姿勢を持っています。
アスペルガーであってもなくても、この意識は絶対必要だとぼくは思います。
自信がある人についていきたい
相手視点で見たとき、恋愛関係になるなら「自信がある人についていきたい」というのが本音だと思います。
というのも、恋愛関係になると、お互いの時間を共有することが多くなりますよね。
その際、「自分に対してメリットがある人かどうか」が重要になってきます。
・いつも元気を与えてくれる
・一緒にいて楽しい
・相手に対しての気遣いがある
軽くメリットを挙げてみましたが、基本的にポジティブ思考で、相手に対して何かをしたいっていうのが共通です。
恋愛関係は深く狭い関係だからこそ、何か一緒にいて得られるものがある人が大きなアドバンテージになります。
逆に、一緒にいるときに
「なんでこの人と付き合ってるんだろう」
「この子のこの部分嫌いだなあ」
って思いながら付き合っている人っていないですよね。
そんな風だったら、そもそも付き合っていないよってなります。
自信は持てなくても、ネガティブな感情や表現はできるだけコントロールする。
その一歩が恋愛関係近づくために不可欠だと思います。
アスペルガーが恋愛関係を築くためのステップ
「じゃあ実際にどうすればいいの?」と思う方もいるかもしれません。
結論から言うと、対人関係スキルを貯めるに尽きます。
手順としては3ステップなので、順に解説しますね。
自分の得意分野で戦うこと
まず自信を付けるためには、得意分野で戦うことが大事です。決して、苦手な分野で戦ってはいけません。
アスペルガーでいう苦手な分野は、ノリや勢いで成立してしまう場所のこと。
体育会系の人が集まるような大人数のパーティや、クラブなどの場所はなかなか難しいからです。
冷静に考えて、年齢も趣味もない人と、共通点を探して打ち解けるのはハードすぎます。
そういうのは、コミュ力が高い人の主戦場なので。
ということで、ぼくたちの攻め方としてのオススメは、自分と同じ趣味を持つサークルやコミュニティに顔を出すということ。
ある程度絞られている状況であれば、話しやすさも変わってくると思います。また、アスペルガーの人のこだわりの強さも生かせます。
うまく趣味の話がマッチすると、距離を縮めやすいからです。
ぼくの場合で言うと音楽ゲームが好きで、SNSのつながりで出会えた人と遠距離恋愛に繋がったこともあります。
趣味系で盛り上がると、話題を探さなくていいので気楽です。
ということで、まずは自分の好きな趣味のあつまりを探すことをオススメします。
不特定多数の人と話す経験を身につけよう
ある程度人と話す経験が身についてきたら、次は不特定多数の人と話す経験を身につけましょう。
ポイントは「男女限らず」話すのがオススメです。
「えっ、なんで同性の人と話すんだよ」という感想はちょっと待ってください。
多くの人と話すことで、「どういう人がどういう考えを持っているか?」という知識が溜まります。これがキモです。
たとえば、同性と話したとします。そこで得られる知識は
「その人が経験してきた恋愛経験」
「異性と打ち解けるためには」
「話していていいなと思う話し方」
など。
要は、Googleで気になることを検索するみたいに、その人から生の情報を手に入れる。ここで学んだことが、あとあと活かされます。
Googleにある情報って、ありきたりで、相手が経験した生の情報ってすごく参考になるのでめっちゃ貴重だと思っています。
また、友達になったあと、異性を紹介してくれる機会も少なからずあるはず。
なにも、「損得を考えて動け!」という話じゃありません。
人を知ることは、あとあと自分に対しても知識として助けてくれます。
だから、多くの人と話す経験を身につけて、本当に大事な人と話すときに「活かしてやろう!」という意識を持つと、後々うまく行く確率が高いです。
マッチングアプリを使おう
このあたりで自信が付いてくると思います。「本格的に恋愛関係を築いていきたい!」というタイミングで使うといいのがマッチングアプリ。
上記の行動を踏まえてマッチングアプリを使えば「相手に言っていいこと」「相手がよろこびそうなこと」が少し分かっている状況ではないでしょうか?
なので、距離もグッと縮めやすいと思います。
また、アスペルガーの方の中に多い「話すときにどうしても緊張してしまう」「ゆっくり考える時間が欲しい」というタイプの人にも向いています。
というのも、メッセージのやり取りがメインなので、シンキングタイムが割と長めにとれます。
リアルタイムではすぐ反応できなくても、ゆっくり返信すればいいですからね。
最近では、マッチングアプリを利用する人も多く、出会い系という怪しいイメージも払拭されているので、利用者も多く敷居も低い。
ぼくもマッチングアプリ利用経験者ですが、実際に会うことができました。
どこでも出来て、しかもメッセージの練習ができる。
迷ったときに、メッセージの返信のアドバイスを友達に貰うこともできます。
リアルのデートでは絶対に出来ないですがw
こういう部分が、アスペ的にはかなり助かるんですよね。
何回も経験を積むことで、異性についてやデートの流れもどんどんわかってくると思うので、最終的に使うことをおすすめしたいです。
都会に住んでいる人なら、GPS機能を使ってすれ違う時にマッチングするアプリもあるので、いつでもチャンスを逃さないようにこの機会にインストールしてみてはいかがでしょうか。
本音:ただ、アスペルガーと向き合うのは大変です
ここまで書いておいてなんですが、ぶっちゃけアスペルガーの特性は恋愛の場面で足を引っ張ります。
というのも、フィーリング重視の恋愛関係において、ロジック重視のアスペルガーからすると、何が正解か分からなくなることもかなりあるんです。
代表的な例でいえば、
本音を言いすぎる
何を考えているのかわからない
論理的に言っても伝わらない
言葉の裏がよめない
冗談が通じない
相手のサインに気づけない
とかですね。はい、挙げたのは全部自分の経験談です。
ぼく個人の話になりますが、むかし会社の同僚の子と仲良くなったことがあったんです。
その子とは仕事の話で意気投合して、仲良くなりました。
次第に、相手がLINEで絵文字を頻繁に使ったり、一緒に飲みに行ったり、それで終電を逃したり…。それくらい仲良かったのに「好意のサイン」に気づけかったんです。
気の利いた冗談を言おうと思ったら、少し言い過ぎたみたいで、割とマジメに怒らせたこともありました。
もうちょっと一緒にいたいというサインを感じ取れず「今日はゆっくり休んだ方がいい!」と無理やり家に返して、友達から「バカじゃないの?」って言われた経験もあります。
その経験後、彼女のLINEから絵文字の量が減ったことは言うまでもありません。
何が言いたいかというと、小さな特性が邪魔をして、チャンスを逃したりすることも実際あります。また、チャンスにさえ気づけないことさえあります。
それでも、失敗すれば学ぶことができるんです。こうやって経験値を貯めていくしかないんだなとぼくは思ってます。
特性なんてふっとばせ。経験値から想像力は養われる。
発達界隈では割とタブー視される「恋愛関係」の話題だけど、アスペルガーでも恋愛はできる。いままで会ってきた当事者で恋愛する人の共通点は「発達障害を言い訳にしない」シンプルにそれだけ。これさえ守っていれば、大きくチャンスを掴める。自分を理解してほしいなら、まず言い訳しないが大前提。
— あすてん(アスペルガー店長🔥) (@Kojirase_tencho) June 24, 2020
「アスペルガーだから恋愛が難しい」と言っている人は、脳の特性を過度に気にしすぎです。ぶっちゃけ、脳の状態なんて誰にも分りません。
そして、発達障害も脳の偏りも、人それぞれなので、一概に決めてしまうのはもったいなさすぎます。
むしろ、「アスペだから無理」と自分の能力を制限させてしまうことが一番リスクです。
アスペに恋愛が無理なら、ぼくも、知り合いの当事者の方も全員が恋愛に失敗しているはず。
そうじゃない理由は、どこかで自分と向き合い、失敗しながら壁を乗り越えた経験の積み重ねによるものです。
もちろん、最初から簡単なことはありません。理解されないこともあります。
大変なこともありますが、その分乗り越えられます。
また、乗り越えた先には、試行錯誤の経験から、誰よりも相手に対して寄り添えるポテンシャルも持っています。これは、バカ正直で真面目なアスペルガーだからこその強みです。
まずは、ゆっくりでいいので、恋愛なんて無理だ!と思っているアスペルガーの方は、一歩ずつぜひ挑戦してみてください。